ゲーム業界の歩き方と未来のゲーム業界

半蔵門駅前の山下書店というところの品揃えがおもしろい。場所柄ビジネス書や議員云々の話が多いのだが、それ以外の本もちらほらある。そこで、

ゲーム業界の歩き方

ゲーム業界の歩き方

というのを買ってみた。実は自分は大学入るくらいまでゲーム少年で、かなりの数のゲームをやった気がするのだが(なにせ男4人兄弟なので、ゲームはたくさん入手できた)、中学生のころはゲームクリエーターになりたかったくらいで、アイデア帳に作りたいゲームの内容を書き留めたくらいである。その後「グランディア」と「真女神転生ソウルハッカーズ」で自分が考えていたアイデアのほとんどが実現したし、高校生のころは雑誌か新聞の編集者になりたくなっていたので忘れていたが、同書は「非エンジニアとしてゲーム業界で働くには」という本なので、それなりにおもしろかった。コンセプトが非常によい。

とはいえ、参考になったのは前半の「社長インタビュー」のようなところで、著者がうだうだ書いているところは正直つまらない。インタビューでもしょうもない発言ばかりするし、エンジニアに対する敬意が感じられない(尊敬しろという意味ではなく、バカにするなという意味)。どれだけ著者の発言を飛ばして読みたいと思ったことか……(例外的に読みやすいインタビューもあったが、あとがきを見るとそこだけ別の人がインタビューしたところだったようだ。納得)。

ただやっぱりゲーム作りたい人はもういわゆる「ゲーム業界」に行く人じゃないんじゃないかなーと思う。子どももそんなにゲームに熱中しているわけでなし、Mixi で農場ゲームが大流行り(一過性だと思うが)したりもするし、iPhone のような常時接続型の端末でネットワークにつながれる前提で、任天堂のように柔軟にデバイスや UI を「定義」して新しい楽しみ方を提案できる人が残っていくのかなと。あとは、シリーズものとして最新作を買わせ続けるモデルは終焉を迎え、「古典」としてのゲームはどうあるべきか、みたいなのを考えていくべき。Wiiスーパーマリオの復刻版が出たり、同書の中にはこのマリオがファミコンで出たのとどう違うか説明されているが、確かにこれは一つの解だと思う。妻と一緒にテレビで放映されていたマリオの CM を見て、彼女が「Wii ほしい」と言ったりしていたが、こういう層を取り込めるかどうかかなと思う。任天堂は偉大。

はてさて、自分は自然言語処理の技術を用いたゲームでも考えましょうか……(笑)