マイクロソフトの秘密

こちらでもあちらでも書かれていたので遅ればせながら自分も感想を書いてみる。

マイクロソフト戦記―世界標準の作られ方 (新潮新書)

マイクロソフト戦記―世界標準の作られ方 (新潮新書)

タイトルには「マイクロソフト戦記」とあるが、内容は「MSX 戦記」かなぁ。要はいかにして著者が会社を作り(そして2つ潰し)マイクロソフトに入ってなんとか戦って(そして標準化で破れて)きたか、という話。文章はいまいちだが内容はおもしろい。失敗しても失敗してもなんとかしてきた、というのもすごいし、MSX で標準化に負ける(人災)ことの取り返しのつかなさから Windows ではがんばった話とか。

しかしマイクロソフトについて書かれた内容としては

マイクロソフト シークレット―勝ち続ける驚異の経営〈上〉

マイクロソフト シークレット―勝ち続ける驚異の経営〈上〉

マイクロソフト シークレット―勝ち続ける驚異の経営〈下〉

マイクロソフト シークレット―勝ち続ける驚異の経営〈下〉

に(圧倒的に)軍配が上がるかなぁ。Netscape vs Microsoft 本と違ってこちらは翻訳も正確。どうやってマイクロソフトがソフトを書いているのか、どういうふうな人事制度・開発体制にしているのか、ここまで書いていいのかと思う粒度で書いている。ちなみに自分が MSR で見たのと確かにほぼ同じで、記述の正確さが分かる。

自分もリサーチインターンでいただけなので、ソフトウェア開発者の人たちやテスターの人たちがどういうことしているのか(近くにいたのでなんとなく分かるけど)はっきりとは知らなかったため、非常に参考になった。あの規模でものすごいフットワークが軽い理由もよく分かる(あとなんだかんだ言ってマイクロソフトは技術力あると思う。昔からの人は悪い印象を持っているのかもしれないが……)。

合わせて読むとよいかも。