おもしろい企業のブログの特徴

Yahoo! JAPAN研究所 公式ブログというものが開設されたらしい。とはいうものの、まだ単に開設されただけで、中身はない。せっかく開設するんだから、最初の数個の記事は用意しておいて、開設と同時に一つ二つは(研究系の記事を)掲載して、どういう感じの記事が今後投稿されそうなのかということを知らせたほうがいいように思うのだが……。

ともあれ、開設するより書き続ける方が遙かに大変なことだし、こういうふうに中でなにをやっているのか知ることができるのは非常に有益なので、今後に期待!

こういう企業の研究・開発系ブログでいつもおもしろく読ませてもらっているのはmixi Engineers' Blogである。こんなコンスタントに書くだけでも骨が折れると思うが、特に mikio さんが DB の話とか検索の話を定期的に(実装レベルまで含めて)書いてくれるので、がんばって文書化して偉いなぁ。

あとこれは数日前に気がついたのだが、ATOK ダイレクト開発者ブログというのも(はてなダイアリーに)できていた。この「ジャストシステム、竹原です。」というのは、あの keiko-t さんなのか? そうなのか? ATOK 2009の新機能は「英語入力支援機能」らしいが、ATOK ダイレクト APIというのが今回から用意されているらしい。こういう細々としたところの使い勝手がいいんだよなー。こちらもコンスタントに更新されていることと、それなりに技術的な内容も書いているのがすばらしい。

IME で思い出したがAquaSKK 開発者インタビューというように、こういう世の中で開発に携わっている人がごく僅かしか存在しない分野でのインタビューやドキュメントって、とても重要だと思う。世界は狭いので、こういうパブリックな場で書いたものが思わぬところで影響あったり、逆にこんな文書でもないと永遠に(本人ですら忘れて)失われてしまう知識もたくさんあるだろうし……

shindo さんのブログ記事読んで(自然言語処理技術を使ってもらっている企業の人として、「この技術は使える」とか「これは実用的にはまだまだ」とか「こういう方面をがんばってほしい」とか的確なコメントをくれるので、非常に助かってます)思うのは、確かに企業には外に出せない文書がたくさん貯まっているのだろうが、有用な文書でも(たとえば合併や退職のどさくさに)消されて失われてしまったり、逆に個々人の頭の中に入っていても文書化されないまま終わって失われてしまったり(まあこっちは tacit knowledge とかいって注目され、どうしたらいいのか盛んに研究もされているところだと思うが)、そういう問題に対して自然言語処理ってなにができるんだろう、ということがある。もしかしたら文書にして保存しようとするのが間違いで、人と人の間にしか知識がないのかもしれないが。