EMNLP 2008 まとめ

無事帰国。関西国際空港NAIST 行きのリムジンバス(1日に1本しかない)を待っているとき疲労がどっと出たが……家に帰るまでが国際会議

というわけで初の単独開催となった EMNLP についてまとめてみる。

  • 時期をずらして単独開催するのはよい考えだと思う。同時開催の会議が AMTA (機械翻訳の会議) だったのはよかったのか悪かったのか分からない(機械翻訳に興味ない人は EMNLP 以外聞こうという気にならない)が、CoNLL とか HLT と共催であれば全然問題ないんじゃないかな?
  • 一方時期をずらすことで論文の傾向も変わっている気がする。理想的には他の代表的な国際会議と棲み分けるといいと思うのだが(自然言語処理における機械学習とか統計に特化した国際会議はこれくらいしかないし)、半年に1度最新の研究成果を発表する(つまりいつも同じグループの人が出している)場になっているような……。時期をずらすメリットとして、1-3月の論文投稿シーズンに落ちたら1年待たないといけない問題が解消されることを挙げている人がいるが、結局解消されないのでは?
  • 他の分野では採用されていることもある author response であるが、自分はそんなになくてもいいんじゃないかと思った(response した結果評価も変わらなかったしリビューのコメントも変化しなかったからだと思うが、評価もコメントも変わったという人の話も聞いたので、人それぞれなのかもしれないが)。条件付き採録を始めようかという話も出たそうだが、author response よりはそちらのほうがいいんではないかと思う(スケジュールが確定しづらい欠点は出るが)
  • 今回は日本人やたら少なかったが(ACL も通った論文数見ると少なかったと思うが)、日本の自然言語処理研究コミュニティのレベルの高さからすると、もっと通ってもいいように思うのだが……。(IJCNLP と COLING があったからかな) 国際会議による性格の違いが段々分かってきたので、そういうのの違いなのかもしれないけど。
  • 来年は ACL-IJCNLP とシンガポールで共催だそうで、そういう意味でどちらの会議に出すかなー、と思っているところである。両方出せれば一番いいんだろうけど……