非常勤講師

今日から近畿大学で非常勤講師をしている。といっても音声認識の演習授業で、講義をするのは半期で1回のみ、あとはほぼ TA と同じなんだけど……

近畿大学に来るのは初めてだったが、昨日が秋学期後の初投稿日だったようで、今日も人が山のようにいる。階段という階段、道路という道路に坐り込んだりしていて、びっくりする(人多杉)。

教科書を Amazon で注文したら時間がかかって(今日届いた)授業に間に合わなかったのだが、基本的に教科書準拠で進めるらしい。ちなみに教科書は

フリーソフトでつくる音声認識システム パターン認識・機械学習の初歩から対話システムまで

フリーソフトでつくる音声認識システム パターン認識・機械学習の初歩から対話システムまで

で、今日帰ってきてから届いていたのを読んだのだが、これはかなりいい本だと思う。音声認識音声合成や、それに必要な機械学習パターン認識を学部1-2年生でも分かる(別の角度から言うと、計算機科学専門でないエンジニアの人が読んでもすんなり理解できるし、全部自分で試せるソフトを使っているので実験もできる)くらいに噛み砕いている。音声対話システムだけではなく、機械学習に興味ある(けどどれを読んでいいか分からない)人にもこの本はかなりお薦め(機械学習・統計的自然言語処理のアプリケーションの一つとして音声システムが紹介されているような感じの本)。上記リンクから Amazon の書評読むともっと雰囲気分かるかも。

今日は最初の授業だったのでガイダンスと ChaSen のインストール。ガイダンスで「こらそこお喋りすんなー」と何回か先生が注意したり、ちょっとカルチャーショック(そもそもそんな騒がしいわけでもなかったのだが……)。欠席3回で単位なしだそうで、この基準だと自分大学卒業できていないかも……

ChaSen のインストールはそんなはまらないだろう、と思ったのだが、いろいろ落とし穴はあって、まず学部生向けに配布されている Linux 環境が入学年度によって違う(基本は Vine Linux 3.2 なのだが、再履修の人は一つ古いバージョンが入っているし、少し新しいもの好きの学生は勝手に新しいバージョン 4.2 を入れている)。そして他の実習で必要なソフトウェアを無秩序に入れていたりして、ディスク容量が足りない(今回の実習では900MB程度使うのだが、配布されているイメージはそもそも Linux 用には6GBしか確保されておらず、デフォルトで1GB程度しか空いていない)。

そのため、この実習中にまずやることは EclipseJDK を消すことだったりする。こういう演習サポートは相談員時代よくやっていた(東邦大学で TA したこともある)ので、久しぶりで懐かしい。chown がよく分かっていない学生も1割くらいいたが、まあ日頃 Unix 使っていなかったら仕方ないだろう。

演習もたけなわ、libiconv がインストールできたのに darts がインストールできない(configure に失敗する)という学生がいたので見てみると、どうも勝手に Vine 4.2 を入れていたのに g++ をインストールしておらず、(ネットワークポリシー的に) apt も使えないようなので人手で rpm を持ってきて手動 rpm インストールしたりする。なんだかなー

最後 chasen をインストールするところで configure に失敗する人続出で、これは調べてみると iconv 絡みのエラーだったので、libiconv のインストールミスかと思ったが、よくよく深追いしてみると再履修生の Linux イメージは /usr/local/lib が /etc/ld.so.conf に入っていない状態で配られているらしく、ldconfig を実行しないと iconv がライブラリを見つけられない、という問題であった。なんじゃそらー

学生の人たちはみんな素直でいい感じ(しかしもう10歳前後離れているのか)。大阪電通大に先日行ったときにも思ったが、私立大学は設備がいいなぁ。建物もきれいだし……。武蔵大学は汚かったような気もするが……

疲れたがみんなインストール完了してほっとする。さ来週講義担当なのでスライドを3時間(講義1コマ演習1コマ)分用意しないといけないのだが、急に言われたのでこれから準備。なんとかなるとは思うけど……