オープンキャンパス2008初夏

今日はオープンキャンパスの日。

今年から NAIST ジーニアスなる制度(要は Apple Store Genius Barのパクリ)が始まったそうで、人数が足りていないから手伝ってほしいということなので manab-ki くんと2人で増援部隊。

といっても今年は出だしからあまり人は多くなく、たまたま受付の近くにいたので、来た人を適当なブースに案内する役割。似た研究室をグループごとにまとめて比較検討しやすくなったのは改善されていると思うが、デモがなくなってどの研究室もいまいちな感じになってしまったのはよかったのか悪かったのか(派手なデモができない研究室とできる研究室の格差は縮まったが、そもそもこの大学自体に夢を抱いて来る人も減ってしまうのでは……?)。その分人が少なくなって移動しやすくなったのは確かだが、例年1階は人だかりで移動も厳しいくらいなのと比べると、今年のオープンキャンパスは(春のもそうだったが)さびしい感じである。昼に研究室に戻ってみると、春のオープンキャンパスよりは来てくれているが、例年と比較すると半分くらいしか来ていないそうだ。やっぱり……。

mizu ちゃんに大型ディスプレイ前で学生生活のスライドを使って話してほしいと頼まれたので、昼の時間帯30分くらい喋る。どうも NAIST ジーニアスツアー(似た研究室を順繰りに回って説明してもらう)の時間帯と完全に衝突していて全然人がいないかと思ったら、受験生の人も10人弱くらいいたので、質問コーナー大目でいろいろ話す。NAIST の魅力、これで伝わったかな……。

1Fでポスター説明していると、Twitter で少し前から自分を follow してくれていた smly さん、はるばる東京から夜行バスで来たそうで(というのは数十分話してから気がついたのだが)、大学院では半教師あり学習について研究したいので、(この分野について日本語で調べたら最後に必ず行き着く)松本研も考えている、というお話をしてくれる。学部の研究室ではグラフラプラシアンとかスペクトラルクラスタリングについて研究したいそうで、それもろ自分の最近の研究と被っているんですが……と思いつつ、PRML も読んでいるという話で、入ってくれるとうれしいなあ。

NAIST ジーニアスツアー、松本研(自然言語処理学講座)は Nick 研(言語科学講座)と合同で組まれていて、13時からと16時からの2回企画されていたのだが、13時からの回は希望者ゼロで流れることに。ロボティクスとか画像とかはツアー参加者10人近くいてぞろぞろ移動していたのを見ると、人気ないのかと思う……(松本研に入りたい人は前から直接研究室に直行して他の研究室には目もくれないのが普通なので、ツアーに参加したから来る、という人のほうが少数派だとは思うが)

夕方の回はようやく3人集まって、Nick 研と松本研にご案内。Nick 研と松本研の違いは一言で言えば Nick 研が話し言葉の書き起こしデータを対象に(音声を書き起こしデータに変換するところは鹿野研究室、つまり音情報処理学講座の専門分野)、松本研は最初から書かれたデータを対象に言語処理を行う点なのだが、まあ受験生でこの違いが分かる人はまずいないと思うし、両方回れるのはよい企画だと思う。できれば鹿野研究室も回れたらと思い、yuu-t くんに行ってもいいか聞いたら OK だそうなので、参加者のみなさんに行きたいかどうか聞いたのだが、行きたい人はもうすでに行っていたし、他の人はそんなに興味がないそうなので、最初からツアーに入っていたら違ったかもしれないが、結局行かないことになった。

松本研は今回トータルで10人少ししか来ていなかったようだが、夕方が一番盛況だったらしい。ツアーのあとに来た最後のお客さん、どう見ても女子高校生の制服だよな……と思っていたら、その通り高校1年生だったようで。松本先生が一通り研究の説明をして、時間も遅いから誰か一つくらい説明して、ということで統計的かな漢字変換の説明を仰せつかったのでデモとかポスターとか交えて話す。質問もぽいぽいしてくれて非常に的確なのでびっくり。今日彼女も含め何人かに説明したが、「空気を読むかな漢字変換」と言うと受けるようである(笑) 将来的には情報系への進学も考えているそうで、n年後が楽しみである(そのころには自分は松本研にいないと思うけど……)。

学部の後輩の人がわざわざ東京から来てくれたので、彼と彼の友人を連れて高の原まで送って夕ご飯を食べる。昔書いた NAIST 紹介を見て NAIST に興味を持ったらしい。

彼自体は工学系というよりは言語学系の研究をしたいそうで、それだとちょっと博士に行くのは厳しいんじゃないかな? と思いつつ、いろいろ話す。頭の回転は速いのでこちらの言わんとすることは分かってもらえたかと思うのだが、入学しないと違いは分からないものだよなー(自分がそうだったし)。自分も NAIST 来る前は大学院行くなら東大か京大、とか恥ずかしいことを思っていた(まあ相談した先生方も同じようなことを言っていて、自分はその反対を押し切る形で NAIST に来た)ので、耳の痛いところではあるが……。

これまで何人か東大生で NAIST に見学に来た人を見て思うのだが、(もし仮にこっちに来る前の自分にメッセージが言えたとしたら、自分を含めた)彼ら/彼女らに言いたいのは、「いまやりたいと思っているような研究は恐らく入学後(やれないというよりは)やらないだろうが、たぶんそれよりもっとおもしろくて刺激的な研究をしていることだろう」ということで、まずはだまされたと思って修士2年くらいは来てみてはいかが? というところかな。(それで「これは選択違った」と思ったら博士で文系の研究室に行けばいいわけで……。修士2年文系の研究室にいてそのあと博士を理系の研究室に行くよりその逆のほうが遥かに楽なので、少なくとも現時点でどちらもやりたいなら順番的にはこちらをお薦めする)