COLING・ACL

今回シドニーに行くのは COLING・ACL という自然言語処理の国際学会に参加するためである。これは NAIST の特待生プロジェクトの一貫として行われるもので、海外研修と題して年間30万円まで海外への渡航費用(学会等参加費に加え、交通費と宿泊費)が補助されるのである。(ken-y くんは「滞在費用は出ないから、ただなわけでなくて持ち出しになるやん」と憤慨していたが、まあ学生だし日当までもらえなくてもね……)

昨年度はプロジェクトの内容に関係するところということでベルギーの FOSDEM (フリー・オープンソースソフトウェア欧州会議)というのに行かせてもらったのだが、今回は研究に関係するところにしたいと思ってここに来たのであった。むしろ今年の COLING・ACLシドニーということを知っていたので、シドニーにまた来るために特待生に応募したというのが8割くらい正しい。(だから昨年度あまり海外に行く気がなかったのである) 

COLING・ACL というのは自然言語処理の分野ではもっとも有名な国際会議2つが同時開催になったもので、今回は史上最大規模のものになるそうだ。もともと特待生に海外に(発表もないのに)行かせるのは、早いうちから世界のレベルがどんなものか知って研究のモチベーションをあげてほしいというのが目的らしく、行くだけでいいとのこと。

いまこれを書いている時点では会議終了後なのだが、会う人会う人に「発表かポスターで来たのですか」と訊かれて、こういう制度があって見るだけ来ているのですと毎回説明するのが面倒であった。こんなに広めてしまって来年から年間3人程度しか採用しないというのもいいんだろうか……

結局のところ結論だけ書くとモチベーションは上がったから、行かせてもらって非常に感謝している。しかし東大や東工大の人など学部のころから研究で発表者として来ている人たちを見ると、修士の学生で発表もないのになんで来るだけ来ているんだと複雑な気持ちである。まあ自分に関してはそんなのはいまに始まったことでもないのだが :-(

yotaro-w くんも IJCNLP という国際会議に参加して博士後期課程に行くことを決めたらしいので、ドクターに行くかどうか迷っている人は国際会議に行くだけ参加してみるのは正しい選択かもしれない。NAIST ももっとこういう制度を大々的にやればいいと思うのだが、全員分のお金はないだろうなあ。