グライスの格率

Testing Gricean Constraints on a WordNet-based Coherence Evaluation Systemという論文を読む。WordNet という大規模なオンライン辞書からいくつかの推論規則の組み合わせによって知識ベースを構築し、会話における話者の意図の意味づけを行う、という話で、そこにグライスの会話の格率がどのように効いてくるのかを考察した論文。

少しの推論規則と WordNet からだけでこんなことができるのか、とけっこうおもしろかった。新しい文が入ってきたときに前の文や文脈とどういうふうに関連づけるかという話と、推論規則(アブダクションなんかも入っているので推量規則といったほうがいいのかもしれないけど)とその組み合わせで実際に WordNet のようなところから意味の関係ネットワークを切り出してくる話と。

乾先生によるとそこから先がかなり難しくて10年間あまり進展がないということだったが、なにかブレイクスルーが作れないかなー。