東大 Fink チーム

MacPeople の10月号でこれもびぎねっとで知り合った takaakiさん が東大 Fink チームの紹介をしているというので立ち読み。ふむふむ、なるほど。もっと彼ら、特に okayama くんとか hiro くんとか shinra くんとか asari くんとか wm3 の苦労話とかどこかで公開できないだろうか。けっこうおもしろいと思う。彼らも表に出るのはちょっと、と思って出てこないかもしれないけど。 それを示すエピソードを情報処理Navigator 6の謝辞から抜粋。書いたのは masa くん。この文の中で「共著者」となっているのは Fink チームの hiro くん。ものすごい名文。
 新システムに、UNIX環境で使えるフリーソフトウェアを導入するという役割を持ったのは三年、四年の学生達でした。本書の共著者も、UNIXソフトウェアの導入に参加することになり、本書は僕が執筆し、彼は、システム作りの側に立つことになりました。共著ではないのかもしれないが、僕は誇りを持って彼を共著者として迎えたいと思っています。
 新システムは四月からの本運用に先立って、三月初日から二十日間のテスト運用が行なわれました。テスト運用期間初期、僕は10時から4時まで情報棟でユーザーの質問に対応し、夜から朝まで本書を執筆し、すこし仮眠してまた情報棟へ、という生活をおくっていました。誰に頼まれたわけでもないけど、そんな生活は、もちろん僕だけではなく、新システムを準備する短い期間、システムインテグレーション(組み立てくらいの意味かな)を担当したNECシステムエンジニアの方々の多くは、ずっと情報棟に泊まりだったし、業者に任せっきりにできるはずもなく、情報基盤センターの先生方も連日連夜の作業をしていました。共著者も頭を抱えて開発をしていました。
 教育用計算機システムは地下鉄と同じで、快調に動いていないと文句を言われる、という立場にあります。僕たちはほとんどボランティアなんだけども、でもやっぱり動作していないと、舌打ちされ、睨まれ、陰口を叩かれる立場にあります。特にユーザーサポートの側に立っている学生はその矢面に立つことになる。テスト運用期間中は、システムが安定しておらず、うまく使えないことも多々あり、そのたびに僕たちは、一部のユーザーから心ない言葉を受けることがありました。
 新システムには、多くの人の努力や善意があると僕たちは心の底から感じています。しかし、それが故に、ユーザーからの「つかえねぇな」とか「なんかマニュアルとかないのー?」という言葉や態度が胸に刺さります。

 僕は意気込んで、共著者に持ち掛けたことがありました。

「新システムにUNIXソフトを入れる苦労話の一つも書けよ、少しは…」
「いや、裏方は裏方でいいんだ。ヘルプの片隅に名前が載っているくらいでいいのさ」

 僕が最終電車の運転士なら、彼は、終電後に線路を点検して回る点検電車の運転士でした。いやそれは、彼だけではないようです。名前すらわからない方々が大半ですが、彼ら全員に、大きな感謝を。