開発者

出入りがけっこう激しいのが Gentoo の開発者の特徴だが、離れる際のメールからも悲喜こもごもといった感じでしみじみ味わい深い。今日も1人ドキュメントチームの人が(hagi さんではなく)一旦開発を離れるというメールを読んでいて、ぐっとこみあげるものがあった。

Gentoo ほど開発/進歩のスピードが速いディストリビューションはないと思うし、開発が速いとドキュメントは反比例してすぐに陳腐化するしそもそも作ることすら難しかったりするので、ちょっと見ていないとすぐ置いていかれるという状態であり、「開発のスピードについていけないで取り残された感じがする」というのもよく分かる。

開発者は開発の最前線にいるので分からないことがあればソースを見ればいいし、不具合があれば自分で直して CVS にコミットすればよいのだが、ドキュメントチームの人は gentoo.org にアカウントがあってもドキュメント以外のソースを変更する権限はないそうで、より疎外感が強いのかもしれない。

しかしながらこれから Gentoo に足りなくなると思うのは絶対ドキュメントだろうし(単発の記事はときどき増えるし、この記事は Gentoo は他に誇っていいくらい読みやすくていいと思うのだが、FAQ や Q&A を集積する場所がなく、forum や ML で tips や workaround が流れてもそのまま消えていってしまう)、いまは開発者がドキュメントを書いているだけの暇はない(ドキュメントを書くくらいなら自分で直したほうがよい早いし)ので、ドキュメントを整備してくれる人がいると非常に助かる。

とはいえドキュメントの整備は一番目立たないし根気もいるし、あまり報われない作業なのでやりたがる人がいないのも事実。「初心者向けドキュメント」は書けないと割り切って「中級者向けドキュメント」で固めるという手もあると思うのだけど、いずれにせよ全くドキュメントがないのはつらい。ebuild を書くときもまず見るのはman 5 ebuild だし……(それで解決しなかったら結局ソースを見ることに)。