昼食のとき、小松先生が突然「10年くらい前の開成中の問題で、日本の真東にある国は、というのがあって、選択肢の中にあるのはブラジルが正解なんだけど、なんでアメリカではないの」という話題を振る。北極点を向いて右に直角90度が真東の方角で、それをずっと行くとブラジルです、と説明したのだが、メルカトルの東じゃなんでいけないの、と言われるので少し考える。

そうしていると小松先生が「日本から地球の裏側に向かって掘っていくとブラジルのあたりに出るのは分かる」と言うので、地球上のどの地点でも真東に進むと、地球の中心との対称点を通過するのは分かりますか、と訊いてみると、それが分からない、とのこと。じゃあ北極点から1m離れた場所で真東に進むと頭の中ではどういう軌跡を描くのですか、と尋ねると、北極点を中心とした半径1mの円、という答えが返ってきたので、なにが分からないのかははっきり分かった。真東がそういうものだと思っていたらアメリカが日本の真東だと思うのは当然だ。

北極点から1m離れた場所での真東って、円周方向に動くのではなく、円の接線方向に動くことにあたるのだが、どう説明しても「それはトートロジーじゃないか」などと納得してくれない。Y さんは「この人二日酔いだとまだ酔っぱらっているので本人が認めなくても酔ってますよ」とこっそり教えてくれたのだが、こういう小松先生にも「日本の真東はアメリカでなくてブラジルだ」ということをすっきりと説明してくれる人募集。