オープンな公聴会で締めくくり

冬休み明けの初出勤日。EMNLP 2019 読み会でいくつか論文を紹介してもらうが、個人的には以下の論文がおもしろかった。

  • Eric Wallace, Shi Feng, Nikhil Kandpal, Matt Gardner, Sameer Singh. Universal Adversarial Triggers for Attacking and Analyzing NLP. EMNLP 2019.

これは敵対的な事例を生成するという話だが、どの入力に入れても変な出力を出させることができる汎用敵対的トリガーと呼ばれるものを作る、という設定。手法的には荒削りだが、こういうタスクを切り出すアプローチにセンスがあると思う。こういうのをうまく思いつけるようになると、ユニークな論文を量産できるようになると思うのだが、自分にはそのセンスがないようで、いつもインクリメンタルな改善になりがちで、なかなか難しい(こういう研究スタイルの人は、流行りのトピックに食いつくのではなく、基盤解析のような要素技術やそのためのリソースを作る、という分野が向いていると思っているが)。

昼からは M2 の進捗報告を聞く。修士論文がそろそろ追い込みなのだが、このタイミングで進捗報告に来ている人(あるいはちゃんと事前に連絡をくれている人)は基本的に問題のない人なので、連絡が滞りがちの人の方が心配。まあ、全員すでに修士論文の提出要件は満たしているので、ちゃんと締め切りを守って出してくれれば卒業はできると思うのだが……。

午後は山口研究室の博士後期課程の学生の公聴会。うちの研究科はクローズドな審査会(予備的審査)→オープンな公聴会(その後、審査委員だけで審議)の順番であるので、一度クローズドな場で内容については聞いていて、そこで指摘したことがちゃんと直っているか、ということを確認する場でもあり、今回はちゃんと対応してもらっていたので、特に問題なく終了。下の子が産まれたばかりなので懇親会には参加できなかったが、うちの学生が公聴会を開催するときには学外の審査委員の方を囲んだランチかディナーを設定したい。