留年をしても授業は受けられる

午前中は情報通信システムコース(旧課程)の実験運営委員会。今年度は B3/B4 がいて、来年度は B4 しかいないので、ほとんど撤退戦だが、まだ留年生や休学生がいるので気が抜けない。首都大に来るまで全く意識しなかったが、入学のときに配布される履修の手引きに記載されている授業カリキュラムは基本的にその学生が卒業するまで履修できることを保証しなければならず、最後の1人の学生が卒業するまで閉講できないのである(選択科目ならまだしも、必修科目や選択必修科目を閉じることはできない)。留年や休学した少数の学生の学ぶ権利を保証するために、教職員サイドからはものすごい労力が払われる訳だが(新しい科目がスタートしても古い科目を閉じることができないため)、3年も留年した身としては恐縮するしかない(汗)

続いて情報科学科(新課程)の実験運営委員会。こちらは今年度は B1/B2 がいて、来年度は B3 になるのだが、まだ固まっていない内容もあるし、新しい授業の準備もあって、決めないといけないことがたくさんある。授業の立ち上げはすでに存在する授業の運営と比べると少なくとも3倍、平均的には6倍、体感的には10倍くらい大変だが、今回の学部・学科再編によって学生的にはカリキュラムは明らかによくなっているし(本当はあともう1回くらい組み替える必要があると思っているが、教員が1/3くらい入れ替わらないと無理)、情報科学科は情報通信システムコース時代と比較すると入ってくる学生が全然違うと感じるので、教員の方々には少しの間申し訳ないがご協力いただきたい。B1 の授業を受け持っている感覚からすると、明らかに学生のメンタリティが違うので、あと数年して研究室に学生が来るようになったら、他の先生方もこの再編の効果を実感いただけると思っている。

昼過ぎには大学院関係のワーキンググループのミーティング。昨年度は学部教務委員長だったために学科会議にほぼ全て出られなかったので色々なことが蚊帳の外であったが、今年度は割と学科に関する話には関わることができるので、学科に関する仕事についてはやりがいを感じている。というか、これに関しては一昨年度以前の状況に戻っただけで、昨年度がひどすぎただけであるが。まあ、今年度は学科以外のところで色々と問題があるのだが……。

午後は機械翻訳グループの進捗報告。国際会議(ACL)に研究室から6人が行っているので閑散としている。

夕方は最後の NAACL 2019 読み会。以下の論文を紹介してもらう。

  • Sarthak Jain, Byron C. Wallace. Attention is not Explanation. NAACL HLT 2019.

タイトルでほぼ全てが尽きている気がするが(こういうタイトルをつけるのが業界的に流行っているのだろうが)、論文の中身としては、色々とアテンションを操作してみると結構結果が変わるので、アテンションはあまり信用できないというような話。これはアテンションに限らずニューラル手法全般に言えることで、基本的に過学習するので入力の少しの変化に脆弱であるというのが背景にあると思う。しかし信用できないからといって何もしない訳にもいかないので、やっぱり使うのだろうけど(汗)