アイデアを思いついてはいるけれど

午前中の最先端論文紹介では、書く場所を1週間間違えてしまった(1ヶ月遅れで書いていると、詳細な日を思い出せない)ので、本来5月9日に聞いた話をここに書く。5月9日に紹介してもらった論文は以下(5月16日に紹介してもらったのは5月9日の日記に書いた)。

  • Wei Zhao, Liang Wang, Kewei Shen, Ruoyu Jia, Jingming Liu. Improving Grammatical Error Correction via Pre-Training a Copy-Augmented Architecture with Unlabeled Data. NAACL 2019.

これは今年の NAACL で発表された最新の文法誤り訂正の手法である。文法誤り訂正では、入力文のほとんどは出力文にコピーすればよく、文法誤りのある部分だけ変えればいい、という性質をしているので、直接出力を出すのではなく編集操作を学習すればいいのでは、と2年くらい前に考えていたのだが、そのときはいろいろ実験してもらってもうまくいかず、変だなぁと思っていた。この論文は、正しくそのアイデアを実装する方法を示しているもので、自分としては「先にやられた」という感じだが、なるほど、こうやればよかったのか~とも思う。入力文をコピーする手法は文書要約や対話で試していた学生がいるのだが、調整が難しく、出力の流暢性をコントロールしにくいという問題もあり、単純に適用するだけではダメっぽくて、これは納得のフルペーパーだなあと思ったりする。

こんな感じで、アイデアはフルペーパーになるようなネタがいくつかあるのだが、正しくやらないと研究にならない(ただし正しいやり方は分からない)、というのばかりで、こういうのをうまく論文にしていきたいのだが、なかなか難しい。

昼過ぎは機械翻訳グループの進捗報告。結構人数がいるので2時間で駆け足。就職活動も落ち着いてきたので、みんな少しずつ研究に時間を使ってくれるようになってきたかな。

午後は学科会議。今年度は割と参加できている気がするが、それでも2回に1回は50分しか参加できない(5月はいいが4月と6月はダメ)。ある案件で一悶着あったのだが、学部教務委員の仕事をしていることで学科運営に関して不利益があるというのはちょっと納得のいかないところで、大学運営に対するモチベーションが控えめに言って1/10になった。