人数を制御するのは難しい

朝9時から学部教務委員会。時間が早いのは閉口するが(結局母に送りを頼んでいる)、委員長ではないのでまだ気楽である。とはいえ、4月は前年度教務委員長として申し送り事項の説明があり、これでようやく完全に昨年度のお仕事(学部教務委員長)が終了。4月になってらかも結構仕事があったのがしんどかったが、これでだいぶ楽になった。

午前中は放送大学の「自然言語処理」をみんなで読む会。初学者以外にはちょっと物足りない本だと思うが、新入生向けにはとてもいい本だと思う。

お昼は大学院の受験希望者との面談。今年度から出願時に出願承諾書にサインしなければならなくなって、かつ情報科学域では各教員あたり出願承諾書を出していい数の上限が決められたので、出願前に定員管理をしなければならないのである。あまりに M1 の人数が多くても困るので、上限があるのは構わないのだが、受けると言って出願しない人も少なくないので、出願承諾書でコントロールするのは筋が悪い気がする(特に外国人留学生)。まあ、他研究室に影響を与えるくらい他大学の学生を受験させてしまう教員が現実にいて、それで問題になっているので、仕方ないといえば仕方ない(自分はそうならないように9割以上の学生の出願を断っているのだが、何人受けるか予測するのが本当に難しいので、保守的にかなり断るしかない)。

ちなみに隣の学科ではほとんどの学生が留学生(ほぼ中国人)になった研究室もあるみたいで、現状からするとトップカンファレンスで戦える学生を揃えようと思うと、基礎学力があって英語に堪能である留学生を集めるのが最適解になる気がするし、日本人学生(内部進学者)に対する影響を考慮しなければ、それで国際的なプレゼンスも上がりそうに思うし、アメリカの大学院は留学生ばかりであるように、日本でもそうなっていくのかもな、という予感がある。自分は負け戦であることが分かっていても(分かっている方が)やる気が出るタイプなので、それが短期的に最適解だと分かっていても、日本人学生を地道に鍛えたり、社会人出身者や人文系の出身の人を歓迎したりしていきたい。

夕方は国際会議の原稿にコメントを入れたあと、南大沢に移動して「基礎ゼミナール」という学部1年生の教養の授業。去年は自然言語処理アノテーションをしてもらったのだが、アカデミックスキルを鍛えるという観点からはあまり意味がなかった気がするし、専門的な知識はこういう教養の授業でやる必要もないと思うので、今年は基礎に徹してプレゼンテーションスキルをひたすらトレーニングする、というやり方にするつもり。蓋を開けてみると20人の学生のうち半分が情報科学科の学生で(情報科学科は1学年50人なので、学科の1/5の学生)、これあまり教養の意味ないじゃん、と思ったりしたが(色んな学部・学科の人に来てもらいたかった)、どの専門に進むにせよ、ここで教えたスキルを使って羽ばたいていってもらいたいので、あまり気にしないことにする。