GPA だけで判断しないけど

午前5時から国際会議の査読。午前中はひたすら査読をして結局合計5時間。査読って、したことない人はすると論文の書き方も変わると思うので、内容的に secondary reviewer がお願いできそうな論文であれば、経験豊富な学生に査読してもらったりしている(結局、自分で最後書き直すので、特に査読の負担が減っているわけではないのだが、関連研究などのチェックは自分では抜けていることが多いので、かなり助かる)。

昼から大学院の公開期末評価の発表練習。同じ内容を何度も指摘しなくていいようにしたいのだが、どうにかならないものか……。ちゃんと他の人の話を聞いて自分の研究に活かしている人ほど、指導にかけてもらえる時間が少なくなるという逆進性があり、これは正直者が損をするフレームワークなので、研究に時間をかけた人がたくさんフィードバックをもらえるようにしたいのである。

どうも、上記のように他の人の話を聞いているかどうかは GPA と高い相関があるようなので(理由は不明)、今年からは大学院の博士前期課程の入試に GPA を活用することにして、ソフトウェア開発経験者以外(つまりストレートで大学院に進学する人)は GPA 2.8 未満の人は出願を受け付けないように変えてみた。あまり GPA を信用したくない(高いからといって研究ができるとは限らない)のだが、教員の時間が限られている以上、他の学生とグループで研究ができない人や、教員がかなりの時間を投入しないといけない人は受け入れが困難なので……。その代わり、博士後期課程に進学したいかどうかは問わず、ソフトウェア開発経験がない人でも以前のように受け入れることにした(去年はソフトウェア開発経験のある人以外は断っていた)。

午後は研究会として修士論文の発表練習。うちの研究室では修士論文は PDF で30ページ以上書いてもらうことをお願いしていて、研究内容的にはだいたい国際会議のフルペーパー1本ぶん(論文誌1本ぶん)の内容を書いてもらっているので、長過ぎず短過ぎずかなと思っている。分量を満たすために水増ししたりされている論文は読むのもつらいので、内容があれば分量は問わないようにしたいのだが、フォーマットが定量的に決まっている方が書きやすいとも思うので。修士論文を書く学生はこれで4期目なのだが、3期くらいやってようやく質が安定してきて、1期生、2期生のころは、結局最後に査読付きのところに投稿できなかったケースもあり(研究テーマの選び方、マッチングをちゃんとやっていなかった自分のせいだが)、3期生くらいからは全員(主査としては)満足のいく修士論文が書けている。

自分自身こんなに立派な修士論文を書いていないので(英語で書いたがために、細かいところをしっかり書けなかった後悔もある)、みんなすごいなーと思う。