オンライン配信すると20倍

午前中、少し日記を書く。iPad Pro で書くとあまり音がしなくていい。

午前中は昨日に引き続きスーパー銭湯へ。去年買った回数券が使い切れなかったので、使う機会があってよかったが、毎日来なくてもいいのではないか?

午後は小金井公園に遊びに来てみる。寒い。すべり台で滑るところを下からビデオ撮影せよと指令があるので何回も撮影する。YouTube デビューしたいそうだが、もう少し分別がつくようになってからでないと、ちょっと怖い。(最近はスーパーマリオのプレイ動画が好きなようだが、ゲームをプレイしたこともないし、家にゲーム機もないのに謎である)

そういえばフォーサイトという会社で収録した、AI 講座が YouTube で公開されたようだ。AI のビジネス応用、自然言語処理機械学習というラインナップで、それぞれ1時間前後。一般向けで数式は必要な箇所に添え、それぞれの技術のキモが分かるように、というコンセプト。

この話自体は去年の今頃に来たもので、新規のお話は基本的にお断りすることが多いのだが、この話は最初からオンラインで無償公開する、という話だったので、お引き受けする方向で調整していて、夏前に全体の構成について打ち合わせして(用語をすり合わせたり、トピックの調整をしたりして)9月に収録したのであった。大学でも、オープンユニバーシティだとか学部1年生向けの概論だとか高校生向けの理数ラボだとかで自然言語処理について話す機会が増えてきたし、1コマぶんくらいの内容を無料配信しておくと、何回も同じことを話さなくて済むかなというくらいの気持ちである(自然言語処理を専門にしたい人は、これで学ぶことは全くお勧めしないのだが)。

自分は編集後には90分弱になったが、収録は10時半から17時までかかった。撮影してくださる方以外、聴衆がいない状態でトークするのも初めてだったし、話して「あ、口が滑った」と思っても取り直しはスライド単位でないとできない(流れもあるので、1セッションが終わってから該当するスライドだけ取り直したりする)し、公開されている時間の少なくとも3倍は収録にかかった。また、収録が終わったあとも、通しで見て「ここは明らかにまずい」というところは(撮り直しはできないので)カットしてうまくつないでいただいたりしたが、細かいところはそのままになっている。東進ハイスクールの人とか、オンライン配信やビデオ講義が主体の講義をしている人たちは、これを日常的にやっているのかと思うと、どえらいことだと思った。

自分の回、第1話はもう1,000回以上再生されているし(第2話は500回、以降400回に漸近)、オープンユニバーシティだと毎年20人くらいにしか話せないことを考えると、少なくとも20倍の効果があることが分かるし、これは情報処理学会自然言語処理研究会も、現地参加は20-100人のところ、Ustream の配信にせよニコニコ生放送にせよ、オンライン配信を見る人は(リアルタイムでなく、時間差で見る人も含めると)2,000人くらいいて、効果は20-100倍くらいあることが分かっているので、オンライン配信できるものはどんどん配信すればいいのではないかと思っている。教員の数も学生の数もこれから減っていくだろうし、うまく技術を活用して効率を上げ、フルタイムで従事する人が不足する部分を補っていく必要があるということである(パートタイム教員やパートタイム学生も増えていっていいと思っている)。