NAACL に初の投稿準備中

朝6時に起きて授業の準備。だいたい1回の授業の資料作成に3時間半かかるのだが、出勤前に作り終わらなかったので、出勤してひたすら作り続け、なんとか南大沢に行くべき時間ギリギリに完了(正確には、そこで作成を諦めた)。前から授業資料を作ると全体のクオリティコントロールが難しく、どうもベストプラクティスとしては、最初にその回の授業で出すべき練習問題の内容を決め、そこから逆算して教える内容を決めると制限時間(?)で満足のいく質の資料ができる気がする。(テスト駆動開発みたいな感じ?)

というわけで、南大沢でアルゴリズムとデータ構造の講義。教える前はアルゴリズムとデータ構造の基礎をやれると思ったが、授業を始めてみると計算量の話とアルゴリズムだけでそれなりに教える内容があるので、さすがにスタックやキュー、リストみたいな基本的なデータ構造の話は出てくるが、それ以外のデータ構造の部分は来年度の授業に回すことに。

午後はプログラミング基礎演習の授業に顔を出す。どうも TA が学会等でいたりいなかったりしていて、当日になる前に分かっているなら担当教員間で融通してヘルプに入れるのだが、当日になって TA が足りなかったりすることがあるようで、TA がいなかったときのための予備として、他に予定がなければ授業の最初に様子を見にいく(つまり TA の数が足りているかどうかを確認し、足りないなら入る)ことにしたのである。もっとも、今年の学生はみんな優秀で、TA がたくさん必要だったのは最初の2回くらいで、最近は各自勝手にやっているようなので、あまり心配しなくていいのかもしれないが……。

夕方は NAACL に投稿予定の原稿を見たりする。今回はフルペーパーを書いているので、それなりにボリュームがある。実は NAACL に投稿するためにフルペーパーを書くのは、共著も含めて人生で初めてである。ACL、EMNLP、COLING はそれぞれ投稿したことも、採択されたこともある。EACL にはフルペーパーを投稿したことが(ヨーロッパ開催の ACL である回も含めて)ない。ACL にフルペーパーを投稿したことも、首都大に来てからしかないのだけど。自分が学生のころは EMNLP や COLING に投稿していたが、今考えるとどうも〆切の関係で、自分は割と〆切ドリブンのところがあり、NAACL や ACL の〆切に向けて実験をすると、だいたいそれには間に合わず、それより〆切があとの EMNLP や COLING に投稿していた、ということのようである(NAACL や ACL の〆切に間に合わせるためには、ショートペーパーでないなら8-9月には主要な実験結果が出ていないとかなり厳しいので、だいぶ前倒し)。

あと、今回は初めて学生と2人だけで COLING 以外のトップカンファレンスにフルペーパーを投稿するので(COLING には @moguranosenshi くんとの共著論文がある)、うまくいくといいなと思っている。うちの研究室の理想像としては、学生と教員の2人の共著でトップカンファレンスにフルペーパーを書いていくスタイルにしたい(たとえば Kudo and Matsumoto とか Yamada and Matsumoto のような)と思っていて、ただ最初からそうするのは難しいことが分かったので、内部進学の新入生にはメンターとして複数の大学院生に入ってもらうシステムを構築し、現在につながるメンター制度が導入されてからの学生がようやく M2 になったので、世代として満を持してフルペーパーが書けるようになった、という経緯である。今年の M2 以降は十分トップカンファレンスにフルペーパーを書き切る体力もついていると思うし、研究でも十分やっていけるのではないかなと思ったりしている(これまでは研究所に就職する人がいなかったけど、今年からは研究所に内定をもらう人も出てきているし)。