シニア向けトークするのは難しい

午前中はスライドの最後の調整をして、午後は羽村市の生涯教育講座で機械翻訳に関する3時間のトーク

ウェブでは基本的に告知をしていないということで、参加者は平均年齢70歳。首都大の一般向けのオープンユニバーシティでも平均年齢は40代だったので、ちょっと予想を見誤った感がある。前半は機械翻訳の歴史と基礎、後半はニューラル機械翻訳のデモと理論の説明、という形にしたが、休憩時間に主催者の方が受講者と「難しい話で分からん」「ここからがおもしろい話なので、次を聞いてください」というやり取りをしていて、前半は主催者的にもおもしろくない話だったんだー、と少し複雑な気持ちになる。

一方、午後のデモは盛り上がってよかったが、デモのときにも「このソフトは無料なの」「どこでダウンロードできるの」という質問が相次ぎ、全体のトークの終了後にもインストールの方法を聞かれたりして、そういう話が聞きたいなら理論の話自体要らないんじゃ、と空振り感があったりする。もっとも、しっかり話を聞いて質問していただいた方もいるし、受講後のアンケートからは大半の方は自分のトークの趣旨は理解いただけたと思うので、やった甲斐はあった。(企画者・主催者の方の説明が悪いのだと思うが、そもそも企画段階で謎な注文が多かったので、もう少し確認しておくべきであった。講演タイトルと内容が違う、というアンケート結果もあったが、講演タイトルは自分ではなく企画者がつけたものだったし……。)

これであとは10月の SD フォーラムで今年の夏のトークは終わりだが、6個はさすがにやりすぎだった。内容のオーバーラップを作ることで資料が使い回せるようにして省力化してみたが、結局3個分くらいのトークの内容は作らないといけなかったし(GAN に関する内容、機械翻訳に関する内容、自然言語処理に関する内容)、これで夏休みが完全に潰れてしまった。どれもやってよかったとは思うが、どこかにしわ寄せが行きそうである(とりあえず、ジャーナルの原稿チェックが遅れているのと、科研費の申請書を書く時間が消えてしまったのが、現在分かっている問題)。