生きのこる技術は何か考える

午前中は古典論文紹介で下記の論文の紹介をしてもらう。

  • Chin-Yew Lin and Frank Josef Och. ORANGE: a Method for Evaluating Automatic Evaluation Metrics for Machine Translation. COLING 2004.

これは機械翻訳の評価尺度の評価をする、というメタ評価の論文で、ちょっと実験はイマイチだったが、うちの研究室では最近評価尺度の研究を盛んにしているので、こういう古典の論文を読んで基礎知識を得たいのである。

機械翻訳自体の研究はレッドオーシャンだし、すぐ知識が古くなってしまい、ほとんどの技術は数年もすれば生き残らない(論文のための論文になってしまう)と思うので、すぐに役に立つかはわからないが、息の長い研究をしたい。開発としては、最先端を追いかけるのはおもしろいし、自分が学生なら次々に出る論文を実装したりして(論文になるかどうかはともかく)遊ぶんだろうけど……。

お昼はカリキュラム委員のお仕事。来年度には新組織での2年次の授業が始まるので、少しずつ準備をしているのである。基礎はしっかり固めたい、というのは情報系のカリキュラムで大事にしているところだが、誰が教えても一定の水準になるように、というのはなかなか難易度が高い。東大はそうしているらしいが、基礎科目は教科書もスタンダードなもので固定し、教員みんなでいくつかの科目をローテーションするくらいの勢いでやった方がいいのかもなー。(さすがにそれは今回の組織再編をきっかけにしたカリキュラム見直しでは達成できないだろうが、10年後くらいには……)

夕方は国際会議の論文の査読。2本しか割り当てられていないので査読の負荷は高くないが(あと、自分も投稿しているし)、どうしてこの時期に引き受けてしまったし、自分……と思ったりする。今年は国際会議のプログラム委員の仕事は少なめにしているので、余力はあるはずなのだけどなぁ。