聴講で耳学問も悪くない

査読の〆切を正確に把握していなかったので、午前2時に起きて泣きながら(比喩的表現)査読を終える。最後の査読が30分超えてしまい、リマインダを受け取ってしまって申し訳ない。

午前中はアルゴリズムとデータ構造の演習。教室の自動解錠をお願いしたのだが、どうも有効になっていないようで、開始時間にはたくさんの学生が廊下に溢れていた。去年も同じ症状だったのだが、どうして有効にならないのだろうか……。

昼には大学院のプロジェクト演習のキックオフミーティング。企業の方と顔合わせをする予定が、待てど暮らせどいらっしゃらないので、学生たちと雑談をして終わる。日程調整が一番難易度高い。

お昼から国際会議の参加登録。学生本人の参加登録費用なので、本人名義のクレジットカードで立替払いをしてもらっているのだが、本人がクレジットカードを持っていない、あるいは限度額を超えてしまったなどの理由で、教員の法人カードで支払うのである。本来は、そもそも参加費も旅費も全て教員が(法人カードで)立替払いするのが手続き上はもっとも楽なのだが、本学の法人カードは全て一旦個人の銀行口座から引き落とされるという仕様なので、10人近く学生がいると厳しい。まあ、旅費はともかく参加費は教員が払うというルールにしてもよいのかもしれない。(参加費はなんらかの事情で参加しなくなっても研究費から落とせるが、旅費については参加の有無ベースでの判断なので、参加しなかった場合の例外処理が面倒)

夕方は研究会(全体ゼミ)。初回は8-9月の国際会議や学会の参加報告(具体的には ACL、YANS、MT Summit)。昨年から後期の研究会は夏休みの学会参加報告、インターンシップの紹介、共同研究の紹介をしてもらって、B3 の研究室インターンシップの学生に「研究室ってこんなところだよ」というのを伝える会にしている。これだけで実は結構盛りだくさんで、11月下旬までほとんど埋まってしまい、あとは修士論文の目次発表や言語処理学会年次大会の目次発表をしているだけで終わってしまうので、のんびりとやっているわけでもないのだが、自然言語処理の基礎知識をチュートリアル的に話してもらうのは、うちの研究室に来ることが必ずしも前提ではない(ほぼランダム)学生たちには興味が持てないようだし、かといって各人の研究テーマを話しても基礎知識がないのでほとんど理解できないようなので、基礎知識がなくても理解できるような現在の形に落ち着いた。研究室インターンシップとして研究的な内容は別の時間に勉強会としてやっているので、まあこれでいいかなと思っている。

現在は学会や研究会の聴講参加にも積極的に旅費や参加費を出して聞きにいってもらっているが(自分がほとんど外に行けないので)、聴講参加の場合は研究会または勉強会で研究室に聴講内容をフィードバックしてもらうことを条件としている(発表参加の場合はフィードバックは不要)。聴講では旅費も参加費も出さない、という研究室の方が大多数であり(長岡技科大の山本研究室は、言語処理学会年次大会に学生全員を連れていくというポリシーと聞いていて、それも参考にした)、このポリシーが妥当なのかはよく分からないのだが、研究費の使い道としてポスドク等の人件費にかけるのではなく(ポスドクにお支払いできる規定の金額で現在のポスドク相当の業務をしてもらうのは忍びない)、かといって GPU サーバにかけるのでもなく(電源とスペースの問題があってもうほとんど買えない)、学生の経験に投資する、という形で使うことにしているので、この方針でうまく回ることを期待している。