進学の機会費用とアルバイト

娘(3歳0ヶ月)が午前6時台に起きるようになったので、自分は午前4-5時に起きるようになってきた。というのも、先に起きておかないと仕事ができないし、朝の1時間強の仕事時間がクリティカルなのである。(移動時間中は座れても iPad くらいしかなかなか触れないし、帰宅したら iPhone すらおいそれと触れない)。

昼から情報通信システムコースの臨時コース会議。13時から授業がある先生もいらしたので、重要な案件だけ審議してささっと終わる。来年度は学部再編により教員は情報科学科と電子情報システム工学科に分かれるが、学生は今年度の入学生が全員卒業するまで情報通信システムコースが存続する(首都大に来るまで知らなかった)ので、情報通信システムコースの会議と情報科学科の会議と両方がしばらく並列で走るというわけである。

過去の話をお伺いすると、切り替わる前から最初の数年くらいが(旧制度で入学した学生がいる限り旧課程の授業を維持する必要に加え、新課程の授業も始めないといけないので)大変だが、すぐ切り替わっていくそうなので、とりあえず完成年度(新学科になってから入学した1年生が4年生になって卒業する年度)までスムーズに行けるといいのだが……。

コース会議のあとは少し立ち話。電子情報システム学科のお話をお伺いしたりする。もう来月から高校訪問が始まるそうで、どんな感じで宣伝すればいいか、ということを雑談したりする。

うちの学科は端的に言えば GoogleAppleMicrosoft に入れるような学生を出したい、というような方向性であるが(起業するようなメンタリティの学生はまずうちに来ないし、来たとしたら留年あるいは中退して起業するだろう)、今年度までの情報通信システムコースのカリキュラムでは難しいとしても、来年度からの新学科ならそういうところに入る学生が出てくるのは(毎年コンスタントに、というようなレベルではないだろうが)時間の問題で、もっと言えば今のカリキュラムでも博士後期課程まで進学する人がいればそういうところで働く人が出るのは確率の問題だと思っているので、地道に宣伝を続けていく必要がある。

今年の高校2年生が入学して M2 になるころには世界で戦えるようになっていると思うのだが、どうだろう。ここのところ学生の GPA がどんどん上がっているようだが、次は学生の英語力とプログラミング力を上げたい。TOEIC スコアで言えば、現在の平均点から1年で20点ずつ上げたいと思っていて、そうすれば10年もしたら十分戦えるだろう(逆に言うと、それくらい英語ができないと働けない)。プログラミングについては自分が言えた義理ではないのだが、新学科はここがかなり改善される予定なので、期待している。

夕方は企業の方の訪問。アルバイトをやりたいという学生と3人でミーティング。いろいろお話しして、勉強されているなぁと思ったりする。

研究室のアルバイトの仲介だと、論文の読み書きを伴わない開発のお仕事だと、学部生はリモートで時給1,000円で出社するなら時給1,500円、修士の学生はリモートで時給2,000円で出社するなら時給2,500円、博士の学生はリモートで時給3,000円で出社するなら時給3,500円を目安にしてもらっている(これを下回る場合は仲介しない)。高いと思うか安いと思うかは人それぞれだと思うが、エンジニアとして働き始めたらこれくらいはもらえると思うので、機会費用としては妥当なところであろう。(社内の規定でそんなに出せない、という企業はあるだろうが、そういう企業でも論文の読み書きが可能だったり、あるいは開発の成果をオープンソースで公開してもよい、というような企業であれば、仲介している。要は、外部に「自分がこういうことをやった」と出せる場合はその分は差し引いてもいい、ということ)

ミーティングのあとに色々雑談をして、自分の学生のころを思い出したりする。高校から大学に進学するときも、学部前期課程から後期課程に進学するときも、修士に進学するときも、博士に進学するときも、そして就職するときも(転職するときも)、それぞれ迷ったものである。

結果的には幸運なことに後悔もしていないが、迷えるときに迷うといいと思っている。特にお勧めしておきたのは旧知の友人に相談することで、最近の友人であればあるほど価値観が似ているため、旧知の友人だと「え、そうなの?」と思うような意見をくれたりするのである(言われたときは信じがたい意見でも、時間が経てば「なるほど、そういう見方もある」と思うことばかり)。あと、旧知であろうとなかろうと、親身に相談に乗ってくれる友人(先輩や後輩も)は大事にするといい。調子のいいときは色んな人にチヤホヤしてもらえるだろうが、調子の悪いときにも気にかけてくれる人は一生ものである。