監督で悟りを開く無の境地

学部入試の前期試験の試験監督に当たっていたので南大沢キャンパスへ。前期試験の試験監督をするのは2回目で、なんとなくどういうものか前回の記憶がある。

センター試験の試験監督は、何かあると容易に新聞沙汰になるという意味で緊張するが、1科目1科目の試験時間は1時間程度なので、手持ち無沙汰な時間がそんなにないのでいい。一方前期試験の試験監督だと、最長で1教科2科目2時間半、というのがあったりするのがしんどい。前後の仕事を考えると、試験監督は3時間半トイレに行けないし、長時間試験監督する、というのは「無」を悟らないと難しいのである。去年か一昨年「無」の悟りを開いたので、つらさはなくなったが(要は試験中は禅である)。

試験監督は2人で1組なのだが、いつも全然専門の違う方とペアになるので、組になった方とお話ししたりするのは割と勉強になる(分野は違えどここは同じなのか、と思ったり、分野が違うとこう違うのか、と思ったり)。

今回は海外から来る留学生の話や日本から海外に行く学生の話をしたが、博士後期課程に来る留学生に3年で学位(博士号)を取らせるのは指導教員も大変、という話をお聞きし、日野キャンパスでも全く同じ話をよく伺うのであるが、やはりそうなんだ〜、と思ったりする。そもそも日本人学生ですら、博士後期課程から研究室に来る人に博士号を3年で取らせるのは難しいだろうし……。自分の出身研究室である NAIST 松本研でも、博士後期課程から来て3年(以下)で取れる人はトップカンファレンスにバンバン通せる人で、大半は研究所所属の研究員であったように思う。基本的には3年では取れないと思った方がいい(3年で取れるというような前提でキャリアプランを立てると厳しい)、ということだろう。

今年はやたらと海外からの受験問い合わせが多いのだが(週に3-4通メールを受け取る)、今年は基本的には夏季の入試を受けてもらって、合格したら10月から半年研究生として受け入れる(翌年4月に入学する)、というような形で運用する予定である。研究生として来てもらっても、定員が厳しく合格の見込みが全然分からないし、研究生として来てくれているのに他大学の受験を勧めたり、受かっても他大学に行ってもらうというのは本末転倒(最終的に他大学や他研究室に行く人の面倒を見るコストを、在学生で手一杯のうちの研究室で払う道理がない)なので、合格前の学生は極力受け入れないことにしている。