1年でNMTに様変わり

午前中は国際会議(ワークショップ)の原稿(system description paper)の添削。査読なしの原稿って、どこまでエネルギーをかけるべきか迷う。リファーされるかどうかに関わらず、一生残るものに違いはないので、恥ずかしいクオリティで出すのは(自分の研究者生命を終わらせる可能性もあるので)全力で回避しなければならないが、どれだけ頑張って書いても査読なしの発表なので、研究に使える時間を考えると、ものすごく時間をかけるのはもったいない気もする。ただ、自分の初めての国際会議発表は system description paper で、そこそこリファーしてもらっている研究でもあるので、査読なしだから読まれない、というわけでもないのが悩ましい(英語で書かないと論文は読まれない、というのは正しい)。

午後は情報処理学会自然言語処理研究会(NL研)の発表練習。今年3月に修士を卒業した学生が、就職先が決まったということで遊びにきてくれていたので、発表練習に参加してもらったりする。就職が決まってホッとしたが、今年うちの研究室で修士号を取得した学生5人のうち、大学院から来た学生が3人いて、その3人中1人しか卒業時に行き先が決まっておらず、どうするんだろうと気を揉んでいたのである。

大学院からうちの大学に来て修士で就職したい、と思う人に改めて念を押しておきたいが、うちの大学の情報系は就職では特に評価が高いというわけではなく、例えばうちの研究室出身であることを評価してもらえるのは自然言語処理関係の仕事に就きたい場合であって、ゲーム業界だとかメーカー業界だとかではないので、就職先は考えたほうがいいように思う。もっとも、就職して自然言語処理関係の仕事ができるケースは1/3以下だろうし、自然言語処理の仕事以外したくない、という場合も選択肢を狭めると思うけど……。

今日遊びに来てくれた学生がいたころは機械翻訳も全然ニューラルではなかったのだが、1年ですっかり勢力図が変わってしまった感がある。自分などは2015年に入ってから「ニューラル翻訳がおもしろいと思うから、誰かやらないかな」と学生に事あるごとにけしかけていたのだが、結局みんな乗り気ではなく、ニューラル翻訳がうちの研究室で本格始動するのは今年の3月くらいからで、GPU がないと研究できないし、研究する見込みがないと GPU も買いにくいし、というジレンマがあったが、昨年度は思い切って GPU を買ってみてよかったように思う(結局去年から今年にかけて1,000万円程度を GPU 関係に注ぎ込んでいるが、資金が潤沢な研究室はいざ知らず、このあたりが教員1人の研究室でできる限界な気がする)。

夜は保育園の全体会(保育者と保護者の会)。娘(2歳4ヶ月)は「小さい子」カテゴリでは最年長になっているのだが、入ってから半年くらいは最年少だったので、感慨深いものがある。子どもたちの顔と名前、そして親とのアライメントが取れるまで1年以上かかったが、この夏休みに朝30分ほど子どもたちと遊ぶようにしてようやく今は全員(男の子も含めて)分かるようになったので、保育参加は大事だなと思う。一度、一日を通して保育参加してみたい。

全体会のあと、保育園の父飲み会。だいたい3-4ヶ月に1回開催されている気がするが、現役父と OB/OG 父の飲み会で、今回は8名の参加。いつも幹事は他の方にやっていただいていたので、今回は自分が幹事を務めたが、初めてでドキドキ。やまかし田無店というところで、最近できた店のようで若干気になっていて、行く機会ができてよかった。思ったより部屋(個室)は狭くなかったし、日本酒はおいしかった(湯のみで出てきた)。

今回は OB 父の参加および新規の現役父の参加があったのだが、本当にこの保育園に通わせる親は多士済々かつ波乱万丈で、話がおもしろい。OB 父から、この保育園に通わせる親は小中高大の教員(あるいは自由人?)が多いと聞いたが、やはりそうなんだなと思う。海外から来る学生のホストファミリーをやっている家族が多いと聞いて、うちも娘一人のままだったら受け入れてみたいなと(これは、前からそう考えていたが、実際に今もやっている方々からのお話を聞いて改めて)思ったりする。

スタートが21時で解散が24時と、なんだか NAIST 時代の飲み会のようだったが、こういう会が延々と続いているのはいい環境だな。