論文の査読のシステムがピンチ

午前5時からスライドの添削。PowerPoint にどのようにコメントを入れるのがベストプラクティスなのか分からないが、今回はノート(原稿)の添削なので、ノート込みで PDF に変換し、PDF に添削を入れた。しかしこうすると本文をいじれない(PDF 化すると、テキストを含め、画面が1画像になってしまう)という問題があるので、一長一短。

朝の残りの時間は保育園の全体会(保護者・保育者会)議事録の作成。すでにメモは取ってあるのでほとんど体裁だけ整えて出せばいいのだが、過去の議事録を調べて体裁を整えたり印刷したりするだけで2時間……。もっと簡単にできないものか(しかし年1回しか回って来ないので、来年には忘れてそう)

出勤してからは、メール処理と中間試験の採点。2ページをホチキス止めして回答してもらったのだが、名前を1枚目にしか書いてもらっていなかったので、大変苦戦。あと、ホチキスを全部外さないといけない(これは返却前にスキャンするためだが)のが地味に手間。これだけで30分使ってしまった……。半期週1コマの授業をするだけでこんなに大変なのに、毎日異なる授業が何コマもある小学校の教員なんか、自分的にはどう考えても不可能なように思える。

午後はオートマトンと言語理論の授業。よくよく考えると今日は(授業資料の回収以外)リモートでもできる仕事しかしてないので、直行直帰すれば日野と南大沢の間の移動時間を節約できた?(といっても30分だけ)

夜は査読の残りを片付ける。あまりコメントを長々とは書かなかったのだが、割合長文派だったので意外。自分の自然言語処理に関する国際会議の論文の査読は3-4パラグラフで構成され、1パラグラフ目には自分が理解した内容のサマリーを書き、2パラグラフ目にはもっとも重要なコメントを書き、3パラグラフ目には重要ではないが疑問に思ったことを書き、4パラグラフ目は細かいタイポの指摘、というスタイル。ちなみに、自然言語処理以外の国際会議はそれぞれでスタイルが異なるのでそれに合わせるし、自然言語処理でも論文誌はもっと丁寧に見る。(自分が過去に受け取った査読結果でも、40個を超える改善点を受け取ったことは一度や二度ではない。もちろん、1つたりと漏らすことなく、全部対応することが求められる)

研究者人口(特に PhD 学生)が国際会議の増加ペースを上回る速度で増えすぎてしまい、うまく査読システムが機能しなくなりつつあるのかな。博士課程の学生は、論文を書くことが修了要件なので必死に査読付き国際会議や論文誌に投稿するが、必ずしもそういう人が研究職に就くわけではないので、しばらくすると(その分野の研究を追っかけるのを止めると)論文査読者プールから外れてしまうのである。

博士号を取得したあと研究職以外に行き先があったり、そもそも最初からそういうキャリアを考えて博士課程に進学する人が増えるというのは歓迎したいが、査読者の数が増えないのに投稿件数ばかり増えると、査読者を新たにリクルートするか、査読の負荷を下げないと、パンクしてしまう。今年の言語処理関係の国際会議では前者、機械学習関係の国際会議では後者となることになったようだが、こうなると最初から arXiv に投稿してしまえ、という選択になっても仕方ない気もする。