武蔵小金井と中学受験

久しぶりの2連休の週末である。20数年前の今日中学受験したわけだが、当日のことは(というかその前後のことは)ほとんど覚えていない。合格発表を見に行ったときのことだけは、強烈に覚えているのだが……。

自分も30年近く前の自分の体験で中学受験を語ってはいけないな、と思い、岩波新書の「中学受験」を読んでみる。

中学受験 (岩波新書)

中学受験 (岩波新書)

こういう中立的な立場で書かれた本はあまりないので貴重である(ただし、少しだけネガティブなバイアスがかかっている)。書かれていることにはほぼ同意。東京では学力上位層は私立(国立)中学を受験して抜けてしまうので、学力のある生徒は公立中学に行くともったいないという話。

ただ最近は都立の中高一貫校が登場し、学力はあるが経済的な問題で私立中学を受験しなかった層の受け皿になっている、という話は新鮮でなるほどなと思った。これまでは学力があっても経済的な事情で公立の中学に進まなければならなかった層が、都立の中高一貫校に進むことになり、公立の中学校は完全にリーダータイプの子がいなくなってしまったそうである。とはいえ悪いわけではなく、逆に公立の中学校は学力が標準以下の生徒だけになり、分散が小さくなったので教えやすくなった(教える内容を減らして復習に時間を使ったりできる)、という教員の声を紹介していて、納得。

私立中学受験と都立中高一貫校受験はそもそも問題の傾向が違うので、塾に通うにしても前者が(小学校3-4年生くらいから)200-300万円のオーダーで必要なのに対し、後者は(小学校5-6年生で)20-30万円のオーダーと1桁少ないし、後者は在学中の学費が無料だそうで、経済的に余裕がない家庭には朗報、というのはよく分かる。

自分自身、中学受験は小6の夏期講習と10月だったか11月だったかから1月末までの3-4ヶ月しか塾に通っていないし、あまり中学受験の勉強に時間をかける意義を見出せないので、子どもから塾に行きたいと言われないかぎり、せいぜい都立中高一貫校の受験対策に通わせるくらいかな……。

午後は武蔵小金井まで行き、イトーヨーカドーでぶらぶらする。昔は北口の西友くらいしかなかった記憶があるのだが、南口がものすごく変わっている。Google maps で見たら古いままで、何もないのだが、大きな商業施設が立ち並んでいる。イトーヨーカドーの中もアカチャンホンポがあったりフードコートが併設されていたり、子連れがとても多いがそういうコンセプトの一帯なんだろう。

実は武蔵小金井駅ではほとんど降りたことがないのだが、中学受験で東京学芸大学附属小金井中学校を受験したときに何回か来た。いわゆる偏差値で言うと当時の学大附属小金井中学校は55〜57くらいで武蔵より10前後低かったし、武蔵は私立で授業料もかかる(東京で授業料の高い学校トップ5に入っているはず。私立大学附属が高いのは分かるが、武蔵大学に進学するのは毎年数人いるかいないか……)し遠いし、自分の第一志望は学費も安く近いこちらだったのだが、落ちてしまい今に至る。なぜかあまり縁がない。

武蔵も悪くなかったけど、やっぱり共学のほうがよかったと思うし、自分の人生やり直せるなら戻りたいのはあそこくらいかな。あまりに人生が変わりすぎるので想像もできないが……。