大学院は教わる場所ではなく教える場所

朝、事務室に行って書類仕事。これで今週の書類は終わり。

あと学生の出張関係の書類について聞いてみる。学生が学生自身の研究をするのは教育で、教員の研究を言われたようにするのは研究だとかいうことで、よく意味が分からないが、どのような書類を出せばいいのか分かったのでよしとする。とにかく首都大の事務書類関係は謎が多い (聞いた通りやっても教えてもらったこと自体が間違っていることがある) ので、あまり深く考えないことにしているのである。

昼から研究会。それぞれの学生が、8月以降やりたい研究について話してくれる。一応外で話せる形式にまとめてほしい、と伝えてあったので、そのつもりで対外発表のときのお作法というか、スライドの作り方もコメントする。細かいところ (スライドには番号を入れなさい、とか) から指摘して、かなりウザい感じだったかもしれないが、たぶんもう自分が言わないと誰かから言ってもらう機会が (在学中は) ないと思うので、煙たい存在かもしれないが、一つ一つチェックする。発表練習の回数が増えたら、みんな他の人へのコメントを聞いて、言われなくてもできるようになると思うし。発表するときはスライドのほうではなく聴衆のほうを見る、という一番大事なことを言い忘れてしまったが……(聞く人はあなたのお尻を見にきているわけではない、ということ)

自然言語処理の基礎勉強会は今回でとうとう終了。人工知能学事典を読むのはそんなに悪くなかった。ただ、基礎勉強会は自然言語処理だけではなく、機械学習あるいは離散数学の勉強会もスタートしておくべきだったか、と思ったりもする。あと、英語の論文を読む機会が圧倒的に少ないので、英語で言語処理について書かれたものを読む基礎勉強会も必要な気がする。松本研で英語の自然言語処理の教科書を読むのは、内容もさることながら、強制的に英語論文を読ませる布石だったのか……。(というわけで、基礎勉強会は冬学期に続く)

夕方、Skype で進捗報告。自分も今回チェックして進捗報告をしたのだが、やはり人手を介したところはエラーが混入しやすい。できるだけ自動化しておいたほうがよいと思った。(歴史的経緯により、自動化できなかったので、仕方ないのだけど)

夜、プログラミングが分からないので教えてください、という相談に答えていくつか教える。ただ、申し訳ないが全部マンツーマンで再度教えることは時間的にできず、学び逃してしまったところは自習してもらうしかないように思う。大変心苦しいし、できることなら付き合えたらよいのだが、自分の時間も有限なので……。家族を顧みなければ付き合うことはできるが、家庭が崩壊する。というか、水曜日は結局いろいろあって帰りが遅くなって喧嘩になってしまった (妻は木曜日の朝が早いのである)。

こういうとき、どうすればいいんだろう? 自分で勉強する、というのも大学院で身につけるべき能力の一つでもあるし、一番いいのは自分で勉強会を立ち上げてもらって、各自で学んだことを教えてもらうとかかなぁ。あるいは、オフィスアワーを決めておいて、その時間はアポイントメントなしでよいが、他の時間はアポイントメントを必要にするとか。結局、終わりの時間を決めないと2-3時間かかったりするので、聞きに来てくれる時間が19時スタートだったりすると、帰りが必然的に遅くなってしまうのである。(時間がかかること自体は悪いことだと思わないので、早めの時間に来てくれればよいだけなのかもしれない。たとえば13時スタートで18時までかかっても、有意義な議論ができたらそれはとても得るものが多い時間だと思うし。)