誕生日は終わりではなく始まりの日

今日が35歳の誕生日。一つの区切りである。

ウェブで日記を書くようになって、基本的に毎日更新し続けて10年以上になるのだが、2年目くらいから、35歳になったらこの日記は止めようと考えるようになった。書き続けていてよかったこと、悪かったこと、両方あるのだが、トータルで考えると圧倒的によかったことのほうが多い。特にNAISTに来てからは、「生駒日記を見て進学を決めました」と言ってくれる人も少なくなく、NAISTはとても好きな環境だったので、嬉しいものであった。

10年後には止めよう、と思ってはいたものの、割合幅広い読者の人もいるようで、あまり大学院生や大学教員の生態を知らない人からそうでない人まで、長い間読んでいただけたのはとてもありがたいことである。たぶん、10年後には止めよう、と思ったのは正しくて、段々と自分だけでやることが減ってきて、ここに書けないことのほうが多く、特に教員になってからは1日の出来事の1割も書いていないくらいであり、結婚してからはプライベートなこともほとんど書けなくなってしまった。(大体夫婦で行動しているので……書くときは妻の存在が分からないように書くけど)

とはいえ、書くことがないと思っていても毎日書いているとけっこう書けるもので、日常生活の中から行間を読んでいただくことで大学教員生活、研究生活を情報発信する、というのも一定の意義はあるのかなとも思う。

というわけで、この数ヶ月悩んでみたものの、どうするのがよいのか自分でも分からなかったので、とりあえずもう少しこの日記は続けてみようかと思う。たぶん、子どもができたりしたら本格的に時間がなくなり、更新することを断念するだろうし、それまではよいかな、と。

研究室の立ち上げにちょうどかかっているので、この1年の記録をしておくことで、同じく (特に情報系の) 研究室の立ち上げをこれからする人の参考になれば、とも思うのである。海外にインターンシップに行ったりしていた記録を毎日更新していたら、その後どんどん海外に行く人が続いてくれて、今では当たり前のようになってくれて嬉しく思っており、研究室の立ち上げに関しても、同様に続いてくれるといいなと考えているからである。

そういうわけで、順番が前後してしまったが、[http://sites.google.com/site/nishitokyonlp/:title=首都大学東京小町研究室のウェブページ] を立ち上げてみたり 。松本研究室も今年で20周年だそうで、自分もこれから定年までちょうど30年あるので、35歳というのは、何かを終わらせる区切りではなくて、何かを始める区切りなのかなと思う。みなさんも、なにかをきっかけに新しいスタートを切られんことを。

(2013-06-01 追記) 大学のサブドメインを取得して、いまは首都大学東京小町研究室 でアクセスできるようになっている。今後オフィシャルにはこちらを使用する予定。