九州はかつて日本における自然言語処理のメッカだった

普通の時間に起きてバスに乗って福岡大学へ。天神から30分ほど。研究会開始20分前に到着して余裕、と思っていたが、「福岡大学セミナーハウス」なるものがキャンパスマップになく、嫌な予感がして検索してみると、セミナーハウスはキャンパスと全然違う場所にあったらしい (汗)

地図を見ると、どうもバスで来た通り道だったようなので、乗って来たバスにそのまま乗って帰る。なにをしているのやら……。セミナーハウス、住宅街の真ん中にあり、とてつもなく分かりにくい場所にあり、最寄りのバス停からも迷う。ともあれ、全然違う場所でなくてよかった。20分遅れほどで会場発見。焦った……。

hirotsugu-e くんの発表は、月曜日の練習のときと比べて相当変わっていて、非常によくなっていた。とはいえ、質疑がけっこう厳しくて、応えられないでいると、共著者のK場さんが「共著者のものですが」と断って、そこから先の質問を代わりに答えていた。さすがだなぁ。自分はなかなか代わりに答えたりできないのだが、適切なタイミングで助けの手が出せるのはすごいと思った。なんでも代理で答えてしまうと本人が考えなくなるのでできるだけ助けないようにしているのだが、共著者として答えるべき場合もきっかけを逸してしまうことがよくあり、松本先生のように軽やかに横から答えることができるようになりたいと常日頃から思っているのだが、なかなか難しい。

昼ご飯は松本先生、masakazu-i くんと yanyan-l さんの4人。松本先生が伏見から京大や NAIST に通勤していた時代の話や、お子さんが生まれたときのお話を伺ったりする。そして伏見から車通勤はしんどいので止めた方がよいとか。やっぱりそうか……。

午後の研究発表を終えるとみなさんは連れ立ってどこかで夕ご飯を食べに行くようだが、自分は hiromi-o さんとの先約があったので、松本先生と3人でご飯を食べることに。hiromi-o さんはこの天神の近くで働いているらしい (自転車で行ける距離だとのこと)。最初バスの路線を一つ間違えていて変なところに行きそうになったが、無事知っているところに出て来られたので一安心。

結局7時に集合してから10時半に解散するまで、3人ともお酒は飲まなかったけど (自分は親知らずを抜いてまだ抗生剤が効いている期間なので自粛)、たくさん話したなぁ。松本研の歴代の伝説の方々のお話をお聞きしたりなど……。いろいろと壮絶なエピソードがある。

あと、九州の自然言語処理研究の歴史について教えていただいたり。乾先生が九工大にいらしたときと比べると、最近若手でがんばっているのは 嶋田さん峯脇さんかなぁ。教授クラスの教員が定年退職したあと、普通は似た分野の人を募集するのだが、九州では (元々大学数と比較して自然言語処理分野の研究室が多かったせいか?) 自然言語処理の教員はあまり補充されないそうで……。まあ、関西でも自然言語処理の研究室数は (九州と比べると大学数は多いにも関わらず) 両手で数えるほどなので、需要と供給が落ち着くところに収束している、ということかもしれない。(というより、西日本にもっと自然言語処理の研究室があっていいと思うのだが、少ないなぁ)

九州大学の栗原教授の話は今日の研究会でも出てきたが、

  • 栗原俊彦, 黒崎悦明. 1967. 仮名文の漢字混り文への変換について. 九州大学工学集報, Vol.39, pp.659-664.

かな漢字変換における最初の論文だとされていて、昔は九州でも盛んに自然言語処理が研究されていたわけだし、その伝統が消えるのはさびしいかぎりである。