とりかへばや、タイムスリップ

久しぶりに漫画の紹介でも。「とりかえ風花伝」の完結版が出ていた。

とりかえ風花伝完結篇 上 (花とゆめCOMICSスペシャル)

とりかえ風花伝完結篇 上 (花とゆめCOMICSスペシャル)

実はこれは「花とゆめ」で連載していた話が途中で打ち切られてしまったため、同人誌として細々と書き続けていたものを全部まとめたものであり、大部で読み応えがある。元々の漫画のほう、中途半端なところで終わっているので、続きがないのかと気になっていたが、同人誌で書いていたとは。(単行本のほうは絶版になってしまっているようで残念) こういうラストかぁ〜、それとなく想像はできたが、でもいま最後まで読めてよかった。

内容としては織田 信定を中心として、キスをすると人間の中身が入れ替わってしまうという不思議な関係を中心に繰り広げられる戦国ラブロマンス(?)。まあ、少女漫画では男女が入れ替わるというのはありがちな設定。日本には「とりかへばや物語」という昔から読み継がれている男女入れ替わりの物語があるのだが、とりかえばや物語とざ・ちぇんじという比較のページもあるくらいで、日本人としてはこういう設定はなぜか興奮するのだろう(笑)

ざ・ちぇんじ! (第1巻) (白泉社文庫)

ざ・ちぇんじ! (第1巻) (白泉社文庫)

(改めて見るとかなり時代を感じさせる……)
最近では「大奥」
大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))

大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))

のようなものも出ているが、歴史ものと男女逆転というのは親和性が高いのかもしれない。どこかで読んだ話だが、「物語では小さい嘘はついてはいけない。その代わりとてつもなく大きな嘘を一つつくこと。細かいディテールはこだわってひたすら忠実に書くこと」という話があり、そういう「大きな嘘」として使われているのだろう。心理学的な話にも興味があるなら
とりかへばや、男と女 (新潮文庫)

とりかへばや、男と女 (新潮文庫)

を読むとよい。個人的にはユング心理学みたいな心理学が力を持っている日本の心理学業界って独特なんだなと思うのだが、こういう理論のほうが日本人の心性に合うのかもしれない。
ちなみに「風光る
風光る (28) (フラワーコミックス)

風光る (28) (フラワーコミックス)

も好きなのだが、こちらは新撰組の中に男装して入り込んで沖田総司に恋をして(でも本当は女性であることはバレてはいけない)主人公の物語。28巻まで来ているが、ラストどうなるんだろうな〜。楽しみである。