@unnonounoさんの人知への挑戦というポストで知ったのだが、情報処理学会が日本将棋連盟に「コンピュータ将棋」で挑戦状を出したらしい。
挑戦状に対する返信の文面が米長日本将棋連盟会長っぽい(笑)が、コンピュータによる挑戦を逃げないところが潔くてすばらしい。だいぶ前から終盤の読みはプロといえどコンピュータに勝てないところに行っていたのだが、Bonanzaの登場以降序盤や中盤も強くなってきて、そろそろ人間のプロ相手にも善戦できるくらいになってきた。それで、その手始めに女流トップ棋士の清水市代女流王位・王将が選ばれた、というわけである。
彼女は自分が中学高校の将棋部で将棋をやっていたころからトップ女流プロだったのだが、あれからかれこれ20年、ずっとトップに君臨し続けているというのもすごい話である。囲碁は男性と女性の区別がなく、両方同じプロ棋士になるのだが、なぜか将棋は男性と女性の強さに差があり、女流プロというものが存在するのである(女性が男性しかいないプロ棋士になることは制度上可能であり、林葉直子のように挑戦した人もいるのだが、未だかつてなった人はいない)。
FAQ によると、コンピュータ将棋が彼女に勝利したら、プロ4段(3段まではプロではない)、と順々に強い棋士と対戦し、最後は名人もしくは竜王(いずれもプロ棋士最強とされる称号)まで、半年か1年おきに対局が予定されているようで、興味深い。どこまでコンピュータ将棋が進んでいるのか分からないが、事前に対局相手の棋譜が得られるなら、相手に合わせて棋風を変えたり(自然言語処理では分野適応と呼ばれ、この3年くらい盛んに研究されている)すれば多少強くなるのではないかと思ったりする。実際先日渡辺竜王と Bonanza の対局について書いたことがあるが、
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中学生のころは20年先にコンピュータ将棋が人間に勝つところまで行くなんて思っていなかったが、20年がこんなに早く来るものだとも思っていなかったなー(ちょうど20年前の4月8日が入学式)。あのころはかなり偉そうな子どもだったと思うのだが、今も変わっていないかも……。将棋部に入って先輩たち(たとえば @knu さん)と戦って全然勝てなかったりして、世の中上には上がいるものだ、と学んだりしたものである。指し手の時間を計ることができるチェスクロックというものがあるのだが、1手20秒とか10分切れ負けとかでひたすら実戦の数をこなし、実戦のとき以外は延々本を読んで勉強する、というスタイルを身につけたのも将棋のおかげである。たぶんそれは今も将棋が自然言語処理に変わっただけで、本質的にやっていることは変わっていない。テレビゲームもだいぶやったが、テレビゲームと違って将棋は様々な世代の人がやっているし、歴史があるので本もたくさん出ている、というのがいいところだったと思う。
そういえば、将棋といえば3月のライオンの4巻が今週出るので買いに走らねば……!
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