→たたかう →かいせき くらえ!フーリエ変換!

もうあと1週間しか東京にいられない関係でちょっと立て込んでいて(あまり考えていなかったが早めにやっておかないといけないという意味でプライオリティ高い仕事があったりして)、今日の研究会には参加できなかったのだが(昨日の日記にも追記したがもう一度書いておくとdaiti-m さんのページに行くと教師なし単語分割のスライドが見られる。ちぃ、ベイズ階層言語モデルおぼえた!)、松本先生が会う度(3月頭の言語処理学会の年次大会と、中旬の日本語書き言葉コーパスのワークショップに加え、昨日の NL 研でまで……)に「最近 ai-a くんの研究おもしろくなってきたよ。聞きに来ないの?」と言うので興味があって「系列ラベリングのための Forward-Backward アルゴリズムの一般化」を読んでみた。

数式追い切れていないのでよく分からない(違ったらツッコミください>>ai-a さん)が、つまり既存の自然言語処理でよく出てくる系列ラベリング問題(形態素解析とか固有表現認識とか名詞句のチャンキングとか)を効率的に解く Forward-Backward アルゴリズムに対し、従来の Forward-Backward で取り扱えないような問題(それらはタスクに合わせた解き方が提案されている)が存在することを指摘し、それらを包含するような一般的な Forward-Backward を提案する、ということかな。この一般化 Forward-Backward は、たとえば大域的な素性に2次の多項式カーネルを使ったものがテイラー展開として扱えるので、計算は適当な次数で打ち切って低次の項だけ使うことで近似できる、というところが要点。低次の項だけ使う近似という意味では、グラフに基づく計算(たとえば正則化ラプラシアンカーネル)でも厳密な解を求めず何回かだけ計算ステップを繰り返して近似するという手法が採れるが、それと同じように適当なところで近似するのは計算効率上嬉しい。

しかもさらにこの一般化アルゴリズムフーリエ変換することでさらに高速化できるということで、確かにすぐなにか使えるかよく分からないが、基礎的なアルゴリズムとして今後の研究のベースになるかもしれないなぁ、とぼんやり思う。

フーリエ変換といえば、最近更新を楽しみにしている id:tsugo-tsugo さんの日記がある。フーリエ変換の回はこちら→研究が面白い理由(3)数学の重要性

「なんだかわからんことになっているモンスターどもがあらわれた!」というの、ちゃんとグラフがモンスターっぽくなっているところの芸が細かい(笑) 他のエントリーもマンガがかわいいし、内容も「あるある!」と膝を叩くような内容(もしくは「確かにそうだ!」とはっとするようなの)ばかりで、おもしろいのでオススメですよ〜。マンガつきの研究関係のエントリーは上記リンク辿ってもらってページ左側の「tsugo-tsugo 劇場」というところに書いてあるリンクを辿ると大体読める。もっと読みたい人はぜひ RSS にでも登録しましょう :-)

しかし ai-a さんみたくいろいろなまほう(解析手法)が使えると有利だろうなー。自分もがんばろう。