『脳死・臓器移植の本当の話』

先日小松先生がPHP新書で『脳死・臓器移植の本当の話』というのを出したので、勉強会のメンバーで合評会。勉強会で合評会をするのは(卒論発表会を除くと)これで3回目だろうか。今回はこの本の編集者の方と、ほぼ同時期に出た洋泉社新書の『自己決定権は幻想である』の編集者の方もオブザーバーとして参加しての勉強会であった。

今回はちょうど7月後半というのが院試やら卒論の中間発表やらで忙しく、発表者は別の2人がやることになったのだが、がんばってやればよかったかも。

もう話の内容はほぼ聞いて知っている内容なのであまり目新しさはなかったが、これまでの著作の中ではいちばんよく書けているものだと思う。ただ、勉強会のメンバーは自分も含めてほとんど小松美彦シンパと呼んでいいくらい影響を受けているので、腰の入った批判をするにはもっと自分を相対化する必要があるのではないだろうか。なかなか難しい。

新書なのでそこらにあるし、内容は読み応えあるのに文章が存外読みやすいので、書店で見かけたらみなさんどうぞ。「植物状態脳死ってどう違うの?」というような質問にすぐ答えられないのにドナーカードを持っている人、もしくは周りに持っている人がいる場合は、ぜひ読みましょう。内容上の(特に医学的な)間違いに気がついた場合は教えてもらえるときっと喜ぶでしょう。